1−3
ZOOOOOON
3体の巨人は、戦いを終え、巨大な船の内部へと収納された。グランバスターとローエルは気を失っているシィキのブレードをメンテナンスハンガーに預ける。「手伝わせたみたいで済まなかったな。」
「いや、助けてもらったわけだし、気にしなくていい。」
「そうか・・・」
――――二人の操縦者は、愛機のハッチを開き顔を合わせてそう言った。その間に、駆け付けた救護班によってシィキは担架で運ばれていく。その側には心配そうな顔をした女性―――サイアが居たことは言うまでもない。
「結構やられたみたいだな〜、アシュフォ〜ド」
艦長代理のチャンプ=ヴォルフレイムが、グランバスターを見上げ言う。
「あぁ、俺もまだ修行が足りない。」
「あんまり落ちこまんでもいいと思うぞ。・・・っと、二人とも疲れてんだろ、まずは、シャワーでも浴びてこいや。アシュフォ〜ド、・・・えっと―――」
「どーも。フェリアンって呼んでくれればいいよ。。」
「・・・」
「OK、フェリアン。俺はチャンプ。この艦の代理艦長をやってる。」
「つまり、とんだ災難だったみたいだな」
フェリアンの話を聞き、ありきたりとも言えそうな受け答えをするチャンプ。
フェリアンは異世界エレンティアから、目的のために時空を超えてきたわけではあるが、彼は、巧みにその言葉を選び、“観光のために来た”と言った理由で納得させてしまった。ワードデュエリングに優勝したのは伊達ではない、といったところか。「こっちからも質問してもいいかな?」
「あぁ、そうだな。俺たちのこともまだろくに話てねぇもんな。」
「アンタ達は何者で、なんでこんな戦力をもっているのかな?」
「・・・えーっと、確か俺たちはRRRとかいう組織の・・・」
R.R.R.とは、ル・オーラ、ロボット、レジスタンスの略称である。イスティナ帝国のウェストリア王国に対する宣戦布告、および、機甲兵器の実戦投入により拡大した戦争の被害に対し、これらを未然に防ぐため中立の立場を守っているル・オーラ王国が組織した非公開の機関である。主な活動は、民間人や、負傷兵の保護、戦場付近の町、集落の護衛等である。
「って訳だ。」
「ふーん。それで、これからここでの俺は、どんなふうに扱われる事になるんだ?」
「とりあえずは、保護された民間人・・・って事になっけど、もし良かったら俺達と一緒に戦わんか?暇そうだし。」
「それも良いかもな。アンタら悪い人じゃないみたいだし、それに、面白そうじゃないか。」
(戦闘に首を突っ込んで回るのが、この艦の任務ならば、奴等と接触することも可能かもしれない)
そう考えたフェリアンは答は、決まっていた。
「じゃ、決まりだな!」
「トリモグラー2は、これより帰還する。」ブリッジにチャンプの声が響き渡り、巨大な戦艦は、大空へと飛び立った。
「この機体は・・・」
静かに佇む白銀の騎士“ローエル”それは、何かを語り掛けているように感じられた。“彼”には。
「もうすぐです。この機体の完成で我が軍は・・・ゲフッ」
「陛下、ご無理はなさらないでください。代わりの効かない体なのですから。」
「いえ、このくらい。それより私はあなたの兄君と戦うことになるでしょう・・・あなたも覚悟しておいてもらわねばなりませんが、本当によろしいのですか??」
「神は、正しき者の味方です。神の正義は、陛下、あなたにあります。少なくとも私は、そう信じています。」
「神・・・(私はそれすら超えねばならない。いや、超えてみせるのだ。)」
アルフォース英雄伝外伝
ロボットサーガ代1話
〜時空遷移〜
完
第2話〜SFS〜
へと続く