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戦闘天使サイキョーンよん

〜第2話"サイキョーン"〜

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前回までのあらすじ
ほとんど誰もその予兆に気がつくことが無かったため、宇宙帝国アルガウスの侵略は人々にとって突然の出来事であった。ほんと、びっくり。
そんな中、初コンサート中・・・と、いっても前座なんだが、売れないアイドルグループMUTEKISSのボーカルのヒトミ=ユウはひょんな事から歌で動くロボットに乗ってアルガウス帝国の戦闘兵器、機甲魔獣サラマンドルと戦うことになったんだ。って、言うか大変だぞ、これは!

 「くじけないで〜、そうよ、まけないの〜♪」

ゆっくりと立ち上がるS1
なおも続くサラマンドルの火炎攻撃。
(う"〜あついよ〜)
ヒトミは叫びたくなっていたが、歌が止まるとS1の動きが止まってしまうことを先刻承知なのでとりあえず歌を続けてはいるが、伴奏も何も無いアカペラで、おまけに即興の歌詞とメロディーなので正直めちゃくちゃ。更に何故かS1には外部スピーカーがついているので周囲に疎の情けない歌は、もろに聞こえていた。

 「負けない〜、負けない〜♪」

だが、そんな事を恥ずかしいと思う暇など無く、歌い続けるヒトミ。その歌声に合わせサラマンドルの攻撃を踊るようにかわすS1.
(大分、解ってきたけど・・・避けてばかりじゃ勝てないんだよね)
そう思うが早いかS1は反撃に転じた。

 「嵐渦巻け〜連続パンチ〜♪」

どこか出来たことのあるようなメロディーと歌詞にのせS1の目にも留まらない連続パンチの嵐!
ギャオーンッ
この攻撃がきているのか、サラマンドルはうめき声を上げた。
そして、急に反転したかと思うと、疾風のような勢いで後退して行った。何処かへ・・・


<アルガウス帝国首相官邸>

 「まさかっ!!地球にあのような兵器があるなどとは・・・この失敗、どう責任を取ってもらおうか?タナカ君」

 「うっ、私のせいではない、すべては秘書の・・・」

<再びトーキョ−>
結局、なんだか良く分からないうちにヒトミが戦って、機甲魔獣とか言うアルガウスの兵器は撤退したらしい。だが、人々にとってそんなことは問題ではなかった。
そう、S1が崩してしまったビルのオーナーには特に・・・

 「わ、わしのビルが・・」


 「よ、初めてにしてはよくやったな、ヒトミ!」

 「全然良くないよ。あたしたしのコンサート・・・」

S1から降りたヒトミはうつむいたままだった。

 「ああ、駄目になっちまったな。だがな、ヒトミ、あんな前座じゃない、ちゃんとしたおまえ達だけのコンサートの舞台をいつか用意してやるぜ!俺のこの拳でなっ」

(拳でどうにか出来る問題じゃあ・・・)
そう思ったが口には出さず、

 「うん。」

ヒトミは涙をぬぐい、精一杯笑顔を作り返事をしようとするがその笑顔は涙にかき消されていたようだ。。

 「さ、帰るぞ!」

 「うん」




S1を積み込んだ先ほどのトラックに乗ってヒトミと大加美は、彼女らの所属するプロダクション、J−レコードのビルへと向かっていた。壊れた筈の荷台のコンテナも拳法漫画で主人公の筋肉の隆起で破れた服のように何時の間にか元に戻っている。

 「明日は確かレコーディングだったな。」

 「うん」

 「初シングル、売れるといいな。」

 「うん」

 「・・・人の話、聞いているんか?」

 「うん」

 「・・・・・・・・・」

ヒトミは相当落ち込んでいるのか、大加美の言葉にまともに答えてはいなかった。

 「・・・って、何処だここは?」

大加美はふと、気がつき車を止める。

 「マネージャー・・・迷ったの?また・・・」

 「そんな事は無い・・・はずだ。と、思う。」

言葉とは裏腹に、実際問題大加美は迷っていた。大加美は方向音痴だった。

 「あちゃー、参ったわね〜」

ヒトミは携帯電話でマナミかアイを呼ぼうとしたが、通話圏外だった。

 「だから、迷っちゃいないって言ってんだろっ!」

 「説得力無い。」

 「あー神様。こんなむさい男と二人っきりにするなんてあなたはなんてひどいのです。」

ヒトミはわざと大加美に聞こえるようにいった。

 「んー、腹減ったな・・・」

陽は既に落ち、夜という時間になっていた。
富士の樹海。彼らがいるのはそう呼ばれる場所である。もっとも彼ら自身はその事にすら気がついていない。

 「お風呂入りたい。」

彼らの欲求は、決して満たされること無く時間ばかりが過ぎて行く。こういった状況下で若い男と女が二人っきりでいるわけっだし、何かの間違いが起こってもおかしくはないのだが、むしろ起こってしかるべきなのかもしれないが、二人は、その事にすら間違っている。つまりは・・・えーっと、何にも起こらなかったんだな。

戦闘天使サイキョ〜ン よん
CM
戦闘天使サイキョーン よん
きゅいーん。

ごごごごごご

ぷしゅーっ

 「お二人さん、いきています?」

人の声。幻聴ではないといいと、二人は思う。無論、幻聴ではない。人間、結構頑丈なもので、たった数時間で狂ったりするものでもないらしい。
で、その声の主なんだが、うん。もったいぶらずに知らせておこうか。何を隠そう、その声は、マナミの声だったんだよ。唐突だろう!実はここだけの話、マナミは飛行機が操縦できるのだ。幼いころから米軍のエアフォースでもある父親に習ったらしい。

 「マナミちゃん?その飛行機どうしたの?」

声に気がついたヒトミはマナミの乗ってきた飛行機を見る。なんか戦闘機みたいだが、どこか不格好である。

 「ん?これのこと?拾ったのよ。」

拾ったって・・・アンタ、早々戦闘機なんかが落ちているものでもなかろうに。おっと失礼、これは私(トガキ)の私見か。

 「おう、マナミぃ、見つけちまったのか。」

 「何言ってんのよ、マネージャーあたし達は二人を探していたのよ!」

 「えっと、そーじゃなくてその飛行機のことだって」

 「え?じゃあこれマネージャーのなの?」

 「そうだ。こんな事もあろうかと密かに作っとたったんだ。この、コブシでなっ!」

 「ふーん、まあ良いわ。帰りましょう。」

 「そーだな。」

と、その時だった。
グオーンッ!!
巨大なトカゲ、真っ赤なその姿は舞い下りてきた。機甲魔獣サラマンドルは、再びその姿をあらわしたのである。

 「チィッ、また奴かっ!」

大加美は、そうは言っているもののどこか嬉しそうに見えた。
戦闘機、S2に急いで乗り込むマナミ、そしてS1に乗り込むヒトミ

 「フッ、上等じゃない。ヒトミにばっかり良いカッコさせてられないわ。」

 「今度は絶対にやっつけてあげるよっ!」


 「ねー、あたしは?」

もう一人の声がした。MUTEKISSは3人のグループである。もう一人といえば決まっている。そうアイである。さっきまで戦闘機S2の一部のように見えたその機体に乗っていたのは彼女である。

 「うーん、S3は潜水艇だしよ〜ここはあの二人に任せようや!」

 「え〜、ヤダヤダ〜、私も戦うの〜」

 「しかたねぇな〜、こいつはまだ後の話にとっておきたかったんだが・・・」

二人がそんな会話をしている間に戦闘の方は結構大変な状況になっていたのだ。
見るとサラマンドルが飛んでいた。空を飛ぶトカゲというのも不格好な話だが飛んでいるものは仕方が無い。そういった訳だから実際問題の戦闘はS2だけが行っていたことになる。S1は飛べないのだ。

 「もー、あったまきちゃう!空と部なんてインチキよ!!」

ヒトミの声は外部スピーカーにとって増幅されて辺りに響く。

ニヤリ
大加美が笑った。

 「ヒトミ、マナミ、アイ、よく聞けよ、合体だ。」

 「合体?」

 「そう。」

 「うそ〜漫画みたい」


 「結成の歌を歌うんだ!ヒトミっ」

 「結成の歌?まぁ、いっか」

納得していない様子ではあるがヒトミは即興で歌いはじめる。

 「今日から、今から、私たちは〜♪結成するよ〜」


S1が飛んだ。(さっき飛べないって書いたばっかりなのに)
次に、S2が機体の半分のところで半分に折れる。当然、失速してS1に向かって落ちはじめる。
さらにS3はその真ん中から二つに分かれS1の下側に移動する。ちなみにアイが今何処に乗っているのかは謎。
3機のメカが一直線に並んだ時、S2は丁度S1に覆い被さるようにしてくっつく。丁度Tシャツを着るかのように。何処にあったのかS2からはS1のものよりも大きな腕が生えている。最後にS3がS1のにズボンのような格好でくっついた。
そしてそこには全長30メートルぐらいの巨大なロボット、サイキョーン3が立っていた。
つづく。

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